# 実践:明細書作成時のつかいかた
このページでは、実際に特許明細書を実際に作成される際に、どのようにFUGOをお使い頂けるかの一例を示します。
なお、ここでは以下の作成手順を想定しています。
![](../images/2019-04-09-19-50-37.png)
## 【特許請求の範囲】の作成
### 作成支援機能
要: FUGO Premium版
Wordアドイン **FUGO.seisyo**を利用することで、表を用いてクレームを記載することができます。
![](../images/2019-04-09-16-51-50.png)
FUGO.seisyo (クレーム表)を用いるメリット
- 各クレームのカテゴリ(名称)を、容易に把握できる
- 従属関係を、容易に把握できる
- 従属関係を変更した場合(例えば、単項従属から多項従属に変更した場合)に、文言を調整する必要がない
- ワンクリックで、クレームを引き写した段落(【課題の解決手段】の雛形)を生成可能
詳しくは、[FUGO.seisyoのWebページ](https://rc-ipworks.com/product/fugo/seisyo/)をご参照ください。
### チェック機能
![](../images/2019-04-08-21-36-12.png)
クレームが書き上がった段階(明細書がない段階)でFUGOのチェックを実行すると、クレームのチェックのみを行えます。この時点で、
従属関係の不整合
前記の書き忘れや、書き損じ
を確認できます。
具体的にチェックできる内容
- 「従属関係」の記載ミスの発見
- 存在しない請求項番号、自分自身に従属していないか
- 例:請求項3が、請求項3に従属するなど
- 従属請求項の記載部分が、不明瞭な記述(36条違反)になっていないか
- 例:『請求項1~5に記載の…』など
- ※ 『いずれか一項に』などの択一的表現が必要
- 「前記」などの記載ミスの発見
- 「前記」が突然出てきていないか
- 例: 『前記Aを備えた機械。』のように、Aの定義が抜けている場合など
- 「前記」が途中で抜けていないか
クレームの作成段階で、あらかじめ記載ミスをチェックしておくことで、後に行う、明細書の課題や解決手段などを書き直す手間の発生を抑えられます。
詳しくは、[「クレーム」タブの説明ページ](../basic/index.html#id17)をご参照ください。
## 【背景技術】~【課題の解決手段】の作成
### 作成支援機能
要: FUGO Premium版
Wordアドイン **FUGO.seisyo**を利用することで、【課題の解決手段】の雛形をワンクリックで生成できます。
` important:: この機能は、1クレームにつき2段落(クレームを引き写した段落と、作用効果の段落と)を記載することを前提としています。
`
### チェック機能
基本的には、FUGOでチェックできる項目はありません。ただし、以下のケースに関しては符号の記載をチェックすることが可能です。
#### 【背景技術】に、実施形態とは異なる符号を用いている場合
![](../images/2019-04-08-21-40-11.png)
プラグイン機能に「【背景技術】の符号表」機能があります。【背景技術】内に記載された符号の一覧を表示・確認することが可能です。(1つの符号に複数の名称が割り当てられている場合に、赤色で警告表示されます。)
## 【発明を実施するための形態】の作成
### 作成支援機能
利用可能な機能は特にありません。
### チェック機能
【発明を実施するための形態】(実施形態)を記載している途中で、もしくは、完成後に、FUGOのチェックを実行することで、FUGOが備えるチェック機能の多くを利用できます。
**実施形態の作成途中の段階**でも、FUGOのチェック結果を軽く確認しておくことで、あとから大幅な修正が必要になることを防ぐことができます。
また、実施形態の完成後 に記載ミスをチェックしておくことで、【符号の説明】と【要約書】をFUGOを用いて半自動でミスなく作成できます。【符号の説明】と【要約書】をFUGOを用いて半自動的に作成する方法は後述します。
具体的にチェックできる内容
* 符号の整合性のチェック
* 誤字・脱字のチェック
* 符号抜けのチェック
* サポート要件のチェック
* 図番号に関する記載チェック
* など
各チェック項目に関して、詳しくは、[基本機能のページ](../basic/index.html)をご参照ください。
## 【符号の説明】の作成
### 作成支援機能
![](../images/2019-04-08-21-48-28.png)
「符号表をコピー」ボタンをクリックし、「クレームに含まれる符号以外に印をつけてコピー」を選択
明細書の【符号の説明】欄に貼り付け<br>![](../images/2019-04-08-21-52-02.png)
先頭に「★」が付いた行を適宜、削除(場合により修正)
以上で、クレームに含まれる用語だけからなる符号表が完成します。
先頭に「★」が付いている用語は、 クレームに含まれていない用語です。クレームに含まれる用語のみを【符号の説明】に記載する場合、★が付いている用語はおおむね削除対象です。意図的に、実施形態とクレームとで、用語を言い換えている場合は、削除しないように注意してください。
## 【要約書の作成】
### 作成支援機能
要: FUGO Premium版
![](../images/2019-04-08-21-54-48.png)
「ワークフローガイド」ウィンドウの「要約書の雛形生成」ボタンをクリックすると、クリップボードに、要約書の雛形となる文章がコピーされます。
この雛形は以下の要素を含みます。
【課題】に、【発明が解決しようとする課題】の記載を適宜クリップした文章(もしくは、全文)
【解決手段】に、クレーム1から「前記」を削除した文章
### チェック機能
![](../images/2019-04-09-18-44-57.png)
プラグイン機能の『【要約書】をチェック』を利用することができます。形式的な記載ミスを発見することができます。
具体的にチェックできる内容
* 文字数のチェック
* 文字数が400文字以内かをチェックできます
* 特許庁の推奨する形式に準拠できているか
* 不要な箇所に空白が入っていないか、など
* 明細書本文との符号の整合性チェック
* 要約書中の符号の名称が明細書と一致しているか
* 明細書中に存在しない符号を振っていないか
参考:[「要約書作成の技術分野別ポイント」H30特許庁発行](https://www.jpo.go.jp/news/shinchaku/event/seminer/text/document/h30_jitsumusya_txt/02_pp.pdf)